二番目の曲は『ポツダム広場、マレーネ・ディートリッヒへのオマージュ、ノクターン』です。この曲は、委嘱者である Marcin Łukaszewskiの名前と姓から導かれた音楽的クリプトグラムに基づいています。音楽的クリプトグラム(私の作品ではこれをスフィンクスと呼びます)は、名前や都市名などを旋律に「翻訳」する古い方法です。私はこの方法を、2002年に作曲したピアノ曲集『Buch der Geheimnisse(秘密の書)』Op.25で初めて使用しました。ベルリンのポツダム広場には、マレーネ・ディートリッヒの記念品が多数展示された映画博物館があり、映画館や高級ホテル、オフィスビルも並んでいます。毎年開催されるベルリナーレ映画祭もここで部分的に行われ、華やかさと贅沢さを祝います。また、ベルリンには青い天使の墓も市営墓地にあります。私は長年にわたり、マレーネ・ディートリッヒの人生に魅了され続けています。
『ベルリンの3つのピアノ曲』は、私がテンペルホーフ地区に定住してから初めて作曲した作品です。この作品は、Sabine Rothという生涯バレエ教師を務めた女性の屋根裏の借り部屋で作曲されました。私は彼女を「ドイツのお母さん」と愛情を込めて呼んでいます。この作品の初演は、2018年2月23日にベルリンのLicht und Musikで行われました。