クラリネット4重奏楽譜 「ポーギーとベス」ハイライト 作曲: ジョージ・ガーシュウィン 編曲: かとうまさゆき 【2015年10月15日発売】 [FME-0327]

クラリネット4重奏楽譜 「ポーギーとベス」ハイライト 作曲: ジョージ・ガーシュウィン 編曲: かとうまさゆき 【2015年10月15日発売】 [FME-0327]

販売価格: 5,000円(税別)

(税込: 5,500円)

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編成: 4重奏
グレード: 5

Eb Clarinet
Bb Clarinet 1
Bb Clarinet 2
Bass Clarinet

「ラプソディー・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」などジャズとクラシックを融合させた作曲家ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin 1898~1937)はマンハッタンの貧しいユダヤ人街でロシアから移住した両親のもとで生まれました。兄のために購入されたピアノに親しみ、10才で音楽家になろうと思ったようです。ざっくりと音楽は学んだようですが、その後、作詞家となったお兄さん(アイラ・ガーシュウィン)と組んで「スワニー」をはじめ「アイ・ガット・リズム」などのヒットを飛ばします。
管弦楽法を得意としていなかったガーシュウィンは「グランドキャニオン」の作曲家、F.グローフェの協力で「ラプソディー・イン・ブルー」を、その後独学で学び「パリのアメリカ人」を作曲します。彼はその後もオーケストレーションを学ぶためにストラヴィンスキーやラヴェル、ブーランジェらに教えを請うのですが、『あなたはすでに一流のガーシュウィンなのだから、二流のラヴェルになる必要はないでしょう』とか『生まれながらの音楽的才能があるのだから、その邪魔はしたくない』などと上手に断られました。嬉しいような悲しいようなですね。才能によって富と名声を勝ち取った彼は、脳腫瘍の手術の途中、わずか39歳で亡くなってしまいました。

オール黒人キャスト(一人だけ白人が登場するのですが)のオペラ「ポーギーとベス」は彼が亡くなる2年前に作曲されました。貧しい黒人の漁師町を舞台に、沖仲士(船の荷物運び)クラウンの情婦で麻薬中毒のベスが足の不自由な物乞いポーギーの愛でいったん更生するが、結局愛よりも麻薬を選んでしまうという全然ハッピーでないお話が、賭博、喧嘩、裏切り、殺人といった豪華な内容とともに非常にダークな物語を形成しています(絶望的な現実、足を引きずってでも小さな夢を信じて向かっていくポーギーの姿とも読み取れます)。
それらを支える、いかにもガーシュウィンという魅力的な音楽とのギャップがなんともいえないです。今回その中から11曲を選びました。

1. Introduction『イントロダクション』
どのパートも忙しいですが十六分音符の流れが途切れないようにしてください。CからはSWINGで、Eの後からイーブンに戻ります。最後大きくrit.してattacaでサマータイムに入ります。

2. Summertime『サマータイム』
もはやジャズのスタンダードナンバーです。漁師ジェイクの妻クララが赤ちゃんを抱いて歌う子守唄です。『夏が来れば暮らしは楽だよ。お魚跳ねて綿の木伸びる。パパはお金持ちになりママはべっぴんさんになれるのさ。だからいい子ね、なかないで。』

3. A Woman Is A Sometime Thing『女はあてにならないぜ』
ジェイクが赤ん坊に歌う子守唄です。付点八分音符と十六分音符はスイングの意味です。

4. My Man's Gone Now『うちの人は逝ってしまった』
酒に酔ったクラウンに殺されたロビンズの妻セリーナの嘆きの歌です。ドラマティックに、メロディーは表情豊かに演奏しましょう。

5. It Take A Long Pull To Get There『あそこまでは漕ぎでがあるぞ』
漁師たちは力強い掛け声(Bの2小節目のアクセント)で船を漕ぎます。牧歌的な部分と男たちの力強い舟歌と変化をつけましょう。

6. I Got Plenty O' Nuttin'『俺にはないものばかりだぞ』
車もなければラバもない。惨めさだって持っちゃいないのさ、とベスと一緒に暮らすようになったポーギーは陽気に歌います。

7. Oh, I Can't Sit Down『とてもじっとしちゃいられない』
今日は大切なピクニックの日、人々はいそいそと出かけていく。中途半端に終わりますがattacaで8曲目に入ることもできます。

8. I Ain' Got No Shame『ちっとも恥ずかしいことないぞ』
ピクニックで人々は激しいリズムで踊りまくります。Cから忙しくなりますが、縦とアクセントを生かしながらも5拍子の感じを失わないようにしましよう。

9. It Ain' Necessarily So『いつもそうとはかぎらない』
麻薬売人のスポーティング・ライフはピクニックで酔っ払っている人々を前に、聖書を茶化してユーモラスに歌う。

10. There's A Boat Dat's Leavin' Soon For New York『ニューヨーク行きの船が出る』
スポーティング・ライフは麻薬を餌に甘い言葉でベスに一緒にニューヨークへ行こうと誘う。付点八分音符と十六分音符はスウィングです。はねないようにしましょう。

11. Oh Lwd, I'm On My Way『おお主よ、出発します』
オペラ最後の曲です。ポーギーはベスを探しに山羊車に引かれながらニューヨークを目指して歩き始めます。

パッツァのリサイタルで「PAZZAの劇音楽シリーズ第5弾」としてアレンジしました。はっきりとしたストーリーやイメージのある劇音楽の面白さを十分味わってください。

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